ムカシトンボ(羽化)

ムカシトンボ♀(羽化)/東京都青梅市/2009.04.18
SONY α900+MINOLTA AFアポテレマクロ200mmF4G+フラッシュ (F5.6 1/80 ISO400)

「生きている化石」として有名なムカシトンボ。
その祖先はジュラ紀まで遡ります。

トンボの仲間(トンボ目)は大きく均翅亜目(前翅と後翅の形が同じイトトンボ科など)と不均翅亜目(前翅と後翅の形が異なるトンボ科やヤンマ科など)に分類され、ほぼすべてのトンボはいずれかの亜目に属します。
唯一の例外がムカシトンボの仲間で、翅は均翅亜目だけど体は不均翅亜目という両亜目の中間的な特徴を持つことから、ムカシトンボ亜目という一つの亜目を構成しています。
現在、1科1属4種が知られ、そのうちの1種が日本固有種のムカシトンボです。

これまで日本以外にはヒマラヤのヒマラヤムカシトンボが知られていましたが、中国から2011年に第3、さらに2012年に第4の種が見つかり、今後も中国では新種の発見があるかもしれません。
このような隔離分布について、近年の遺伝子解析の研究では、かつて東アジア一帯に生息していたムカシトンボの祖先が、気候変動の結果、現在の離れた生息地に生き残った可能性が指摘されています(遺存固有)。

この非常に特異なムカシトンボが日本に生息していることの幸せ。
山間部の渓流で5~8年の幼虫期間を経てさらに上陸して約1か月、まだ少し肌寒い4月に羽化を探しに行きます。
羽化は水辺から時に数十メートルも離れた場所で行われるため、羽化探しは容易ではありません。
しかし、毎年同じ場所で行われることもあり、ポイントを絞って通い続けるのです。

ムカシトンボ(羽化)

ムカシトンボ♀(羽化)/東京都青梅市/2009.04.18
SONY α900+MINOLTA AFアポテレマクロ200mmF4G+フラッシュ (F5.6 1/60 ISO400)

今回掲載の写真(同一個体)は、何年も通って初めて羽化の最初から観察できた個体です。
今見るとレンズもアングルもストロボも他にも工夫できただろうにと思いますが、このときはもうシャッターを切ることだけにただ夢中でした。

ムカシトンボ(羽化)

ムカシトンボ♀(羽化)/東京都青梅市/2009.04.18
SONY α900+SIGMA 15mm F2.8 FISHEYE+フラッシュ (F8 1/25 ISO200)