カラスヤンマはミナミヤンマ科の日本固有種で、沖縄島の個体群が原名亜種、四国及び九州~徳之島の個体群が亜種ミナミヤンマ、慶良間列島の個体群は亜種アサトカラスヤンマとされています。
メスの翅の模様に地域変異がみられるのが特徴で、屋久島以北では翅の前縁が黒くなる程度ですが、トカラ列島や奄美大島では前翅が淡褐色になり、さらに沖縄島と慶良間諸島では和名の通り翅全体が黒くなります。
沖縄島個体群のメスの翅全体がこのように黒化する理由として、沖縄島には同属のオキナワミナミヤンマ(沖縄島固有種。メスの翅はほぼ無色)が混生しており、種間の形態差が際立った結果と考えられているそうです。
沖縄島では中部~北部に生息しており、メスの翅の黒化には個体差もあります。
写真のように、翅全体が真っ黒になるものもいれば、翅の基部を中心に黒褐色になるものなどさまざまです。
初めてカラスヤンマのメスを見たときの感動は今もよく覚えています。
北部のやんばるでは個体数も多く、やんばるの森を代表するトンボの一つと言えるでしょう。