沖縄を代表する、身近なヤンマといえばトビイロヤンマではないでしょうか?
(身近と言っても、主に薄暮時に活動するため一般にはあまり知られていない)
いや、身近というのは過去の話で、現在は環境省及び沖縄県で絶滅危惧IB類(EN)に指定されるほど減少してしまいました。
日本では琉球列島(トカラ以南)に生息し、インドから東南アジア、中国南部、台湾、オーストラリア、オセアニア島嶼群まで、熱帯・亜熱帯地域に広く分布するトンボです。
抽水植物が茂る湿地や沼地、水田、休耕田などでみられ、日中の暑い時間帯は避け朝夕の薄暮時に活発に活動します。
熱帯性のトンボらしく、短い幼虫期間(1~3か月程度)で発生を繰り返し、沖縄でも真冬以外は成虫の活動が観察されます。
本来は珍しい種類のトンボではなく、環境条件への選好性もそれほど高くないと思われます。
しかし、沖縄では激減してしまいました。
その主な原因はやはり水田の減少と考えられます。
トビイロヤンマの複眼の色について(1)
今回の写真のトビイロヤンマは未成熟個体です。
未成熟時の複眼の色には他種ではみられない独特の美しさがあり、この色はなんと表現すればよいのでしょうか?
「原色 日本トンボ幼虫・成虫大図鑑」を開くと”淡い灰桜色”と表現されていました。
灰桜(はいざくら)という和色での表現、納得です。
そして、成熟すると複眼は全く違う色に変化します。
・「トビイロヤンマ その2」につづく
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